南海バス 大野台6丁目から徒歩3分、大阪狭山市大野台開院。「かい内科クリニック」です。

予防接種

予防接種(ワクチン)について

ワクチンの予防接種をおこなう事により、あらかじめウィルスや細菌(病原体)に対する免疫を作り出し、その人の感染症の発症あるいは重症化を予防する事ができます。

稀に発熱や発疹などの副反応が見られますが、実際に感染症にかかるよりも症状が軽いことや、周囲の人にうつす心配がない、などの利点があります。普段は予防接種の効果は実感できませんが、予防接種で防げる病気は、かかってしまうと重症化したり、後遺症が残ることがあります。

また、多くの人が予防接種を受けることで免疫を獲得していると、集団の中に感染患者が出ても流行を阻止できる「集団免疫効果」が発揮されます。

ワクチンの種類

ワクチンは、不活化ワクチンと生ワクチンの2種類があります。

不活化ワクチンは、ウィルスや細菌を加熱やホルマリンなどの薬剤を用いて処理することにより、感染力や毒性をなくした病原体もしくはその成分を使って作ります。接種した場所が腫れることがありますが、死んだ菌やウィルスを使うので体内で増殖することはなく病気にかかることはありません。免疫不全者にも接種できますが、十分な免疫を獲得できない場合があります。

生ワクチンは、毒性や発病力を極度に弱めたウィルスや菌を生きたまま使用して作ったワクチンです。接種後に得られる免疫は強固で長続きします。接種後、体の中でウィルスや菌がゆっくりと増殖するため、稀に発熱や発疹などの症状が出ることがありますが、実際に感染するよりもはるかに症状は軽く済みます。生ワクチンは、免疫不全者(水痘ワクチンを除く)および妊婦には接種できません。


ワクチンの種類
ワクチンNet (https://www.wakuchin.net/about/type.html) より引用

ワクチンの値段と接種回数

ワクチン名 値段(1回あたり)
A型肝炎 6,500円
(3回接種)
B型肝炎 5,000円
(3回接種)
肺炎球菌・助成あり(ニューモバックス) 3,000円
肺炎球菌(ニューモバックス) 8,000円
肺炎球菌(プレベナー) 9,500円
肺炎球菌(バクニュバンス) 9,500円
麻疹風疹(MR) 8,000円
水痘・帯状疱疹 6,000円
帯状疱疹(シングリックス) 22,500円
(2回接種)
麻疹 5,000円
ムンプス(おたふくかぜ) 4,500円
破傷風 4,000円
インフルエンザ(任意接種) 3,300円
RSウィルス 26,000円
子宮頸がん(シルガード9) 25,000円
(3回接種)
新型コロナワクチン(任意接種) 16,500円

※注意事項※

  • 予防接種前の検温で37.5度以上ある場合は、接種を見合わせる場合があります。
  • ワクチンは常時在庫はしておりませんので、予約をお願いします。
  • 原則として発注後のキャンセルはお受けできません。
  • 前金をいただく場合もあります。
  • 接種後は体調の変化がないか確認するために、15分ほど院内で待機していただくこととしております。
  • 初診の方のワクチンについての相談は、1,000円の診察料を自費でいただいております。
    (ワクチン接種時に接種費用と相殺いたします。)
  • ワクチン接種証明書の記載には、1,000円を実費でいただきます。

予防接種時のお持ち物

  • 母子手帳(お持ちでないと接種できない場合があります)
  • 診察券(初来院の方は、当日発行いたします)
  • 保険証もしくはマイナンバーカード、医療証、お薬手帳など

ワクチンの接種間隔

ワクチンの接種間隔

※詳しくは、厚生労働省ホームページ

帯状疱疹ワクチンについて

帯状疱疹は、多くの人が子どもの頃に罹る「水ぼうそう」のウィルスが原因でおこります。ウィルスは神経に潜伏しており、成人になってから、ストレスがかかった時や免疫力が落ちた時に再活性化して発症します。

日本人成人の90%以上が帯状疱疹を発症する可能性があり、80歳までに3人に1人が発症するといわれています。特に50歳代から発症しやすさは急上昇し、60歳代、70歳代にかけてその割合は上昇しますが、過労やストレスが引き金となって若い人に発症することも珍しくありません。また、一度帯状疱疹になったことがある人のうち6.4%の人は再発します。

帯状疱疹が頭部や顔面に出ると、目や耳の神経が障害されて、めまい、耳鳴りなどが起こるようになり、重症化すると視力低下、失明、顔面神経麻痺などの重い後遺症が残ることがあります。

神経の損傷がひどいと帯状疱疹が治った後も、3か月以上の長期にわたって強い痛みが残ることがあり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれています。50歳以上で帯状疱疹になった場合には19.7%、80歳以上の場合には32.9%の人が帯状疱疹後神経痛を生じるとされています。帯状疱疹後神経痛は90日後で19.9%の人に症状が残り、また9.2%が中等症以上の重症度を呈します。

帯状疱疹ワクチンには、ビケンとシングリックスの2種類があります。50歳以上の方はいずれのワクチンも接種可能です。

ビケン シングリックス
ワクチンの種類 弱毒生ワクチン 不活化ワクチン
接種回数 1回 2回(2か月後に2回目)
帯状疱疹の発症予防効果 50歳以上51.3%
70歳以上37.6%
80歳以上18.0%
50歳以上97.2%
70歳以上89.8%
80歳以上89.1%
持続期間 5年程度 9年以上
帯状疱疹後神経痛の予防効果 66.5% 50歳以上100%
70歳以上85.5%
注射方法 皮下注射 筋肉注射
メリット 値段が安い 予防効果が高い
値段 6,000円 22,500円
(1回あたり)

ビケンワクチンは、免疫力が落ちている人、免疫抑制治療を受けている人、妊娠が明らかな人、抗生物質(カナマイシン、エリスロマイシン)にアレルギー反応を起こした人、過去に水痘ワクチンで強いアレルギー反応を起こした人には接種できません。また、ワクチン接種後2か月は妊娠を避ける必要があります。

肺炎球菌ワクチンについて

肺炎球菌感染症は、「肺炎球菌」による感染症のことです。肺炎球菌は市中肺炎の原因菌として最も多いだけでなく、髄膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、関節炎、心内膜炎などの原因にもなります。実際には、肺炎球菌には90種類以上の種類がありますが、重篤な感染症に至るのは数種類に限られます。特に肺炎球菌感染症は、①65歳以上の高齢者、②喫煙者、③長期療養施設入所者、④脾臓が無い人、⑤免疫機能が低下している人、⑥心不全や慢性肺疾患、糖尿病、肝疾患、アルコール依存症などの慢性的な病気の人、などが重症化しやすいので注意が必要です。

肺炎球菌ワクチンは、「ニューモバックス(23価ワクチン)」と「プレベナー(13価結合型ワクチン)」と「バクニュバンス(15価結合型ワクチン)」の3種類があり、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐ作用があります。肺炎球菌ワクチンは、接種してから抗体(免疫)が出来るまで、平均でおよそ3週間ほどの期間を要します。

ニューモバックスは、23種類の肺炎球菌の型に対応したワクチンで、肺炎球菌感染症の65-68%に対応しています。ニューモバックスの効果時間としては5年以上とされていますが、再接種をする方が効果が高まるためと副反応のバランスから5年以上たった時点で再接種が勧められています。

プレベナーは13種類の肺炎球菌の型に対応したワクチンで、肺炎球菌感染症の31%に対応しています。バクニュバンスは、プレベナーに含まれる13の血清型に22Fと33Fの2つの血清型が追加されており、15種類の肺炎球菌の型に対応しています。プレべナーもしくはバクニュバンスは1回の接種で免疫に記憶が残り長時間予防効果があります。ニューモバックスの方が、プレベナーもしくはバクニュバンスより広いカバー率があり、ニューモバックスのみでも肺炎球菌の予防として推奨されていますが、ニューモバックスとプレベナーもしくはバクニュバンスの両方を接種することで、ブースター効果(相乗効果)があり、更なる予防効果が期待できます。年齢にもよりますが、先にプレベナーもしくはバクニュバンスを接種した後、半年以上開けてニューモバックスを定期接種として接種するのが勧められます。

先にニューモバックスを接種された方は、1年以上空けてプレベナーを接種しプレベナーもしくはバクニュバンス接種から半年以上またニューモバックス接種から5年以上空けて2回目のニューモバックスを接種する方法が勧められます。両方のワクチンを接種する場合のスケジュールは以下の図のようになります。

肺炎球菌ワクチンの接種間隔

また、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うことで、更に肺炎予防につながるため、成人用肺炎球菌ワクチンだけでなく、インフルエンザワクチンも接種をすることが推奨されています。

インフルエンザワクチンの接種説明

インフルエンザの予防接種を実施するに当たって、受けられる方の健康状態をよく把握する必要があります。そのため、予診票に出来るだけ詳しくご記入下さい。

ワクチンの効果と副反応

予防接種により、インフルエンザの発病を阻止したり、インフルエンザによる合併症や死亡などを予防することが期待されます。一方、副反応は接種直後から数日中に起こりますが、一般的に軽度です。

注射部位が赤くなる、腫れる、硬くなる、熱をもつ、痛くなる、しびれることがありますが通常は2~3日で消失します。発熱、悪寒、頭痛、倦怠感、一過性の意識消失、めまい、リンパ節腫脹、嘔吐・嘔気、腹痛、下痢、食欲減退、関節痛、筋肉痛なども起こることがありますが通常は、2~3日で消失します。

過敏症として、発しん、じんましん、湿しん、紅斑、多形紅斑、かゆみなども起こります。その他に、顔面神経麻痺などの麻痺、末梢性ニューロパチー、ぶどう膜炎があらわれることがあります。

強い卵アレルギーのある方は、重篤な副反応を生じる可能性がありますので必ず医師に申し出て下さい。
非常にまれですが、次のような副反応が起こることがあります。

  1. ショック、アナフィラキシー様症状(じんましん、呼吸困難など)
  2. 急性散在性脳脊髄炎(接種後数日から2週間以内の発熱、頭痛、けいれん、運動障害、意識障害など)
  3. ギラン・バレー症候群(両手足のしびれ、歩行障害など)
  4. けいれん(熱性けいれんを含む)
  5. 肝機能障害、黄疸
  6. 喘息発作
  7. 血小板減少性紫斑病、血小板減少
  8. 血管炎(アレルギー性紫斑病、アレルギー性肉芽腫性血管炎、白血球破砕性血管炎等)
  9. 間質性肺炎
  10. 脳炎・脳症、脊髄炎
  11. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱
  12. ネフローゼ症候

このような症状が認められたり、疑われた場合は、すぐに医師に申し出て下さい。
なお、健康被害(入院が必要な程度の疾病や障害など)が生じた場合については、健康被害を受けた人又は家族が独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づいて救済手続きを行うことになります。

予防接種を受けることができない人

  1. 明らかに発熱のある人(37.5℃以上の人)
  2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
  3. 過去にインフルエンザワクチンの接種を受けて、アナフィラキシーを起こしたことがある人。なお、他の医薬品投与を受けてアナフィラキシーを起こした人は、接種を受ける前に医師にその旨を伝えて判断を仰いで下さい。
  4. その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した人

予防接種を受けるに際し、医師とよく相談しなければならない人

  1. 心臓病、腎臓病、肝臓病や血液の病気などの人
  2. 発育が遅く、医師、保健師の指導を受けている人
  3. かぜなどのひきはじめと思われる人
  4. 予防接種を受けたときに、2日以内に発熱のみられた人及び発しん、じんましんなどのアレルギーを疑う異常がみられた人
  5. 薬の投与又は食事(鶏卵、鶏肉など)で皮膚に発しんがでたり、体に異常をきたしたことのある人
  6. 今までにけいれん(ひきつけ)を起こしたことがある人
  7. 過去に本人や近親者で検査によって免疫状態の異常を指摘されたことのある人
  8. 妊娠している人
  9. 間質性肺炎、気管支喘息などの呼吸器系疾患のある人

※予防接種を受けたあとの注意※

  1. 接種後30分はクリニック内にいるなどして様子を観察し、アレルギー反応などがあれば医師にすぐ連絡が取れるようにしてください。
  2. 接種当日の入浴は問題ありませんが、注射した部位はこすらないようにしてください。
  3. 接種当日は注射部位を清潔に保ち、いつも通りの生活をしてください。ただし、激しい運動や大量の飲酒は避けてください。
  4. 高熱や痙攣などの異常な症状が出た場合は、速やかに医師の診察を受けてください。

インフルエンザワクチン予診票のダウンロードはこちらから

インフルエンザについての説明はこちら

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