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メタボリックシンドローム

メタボリックシンドローム

 メタボリックシンドロームとは、運動不足や肥満が原因となって発症する生活習慣病の前段階の状態であり、内臓脂肪が蓄積してインスリン感受性が低下することにより、高血圧、高血糖、脂質異常症が同時に起こりやすくなっている病態です。メタボリックシンドロームの原因として最も重要なものは生活習慣ですが、最近の研究では遺伝や出生時の環境、親の生活環境などもメタボリックシンドロームの発症に影響を与えることが分かってきています。

メタボリックシンドロームの概念メタボリックシンドロームの概念

メタボリックシンドロームの年齢別分布
(国民健康・栄養調査より引用)
メタボリックシンドロームの年齢別分布

 日本人の死因の上位を占めている心臓病や脳卒中は、いずれも動脈硬化が原因となって起こりますが、動脈硬化を起こしやすくする危険因子としては、高血圧、喫煙、糖尿病、脂質異常症、肥満などがあります。これらの危険因子はそれぞれ単独でも動脈硬化を進行させますが、危険因子が重なれば、それぞれの程度が軽くても動脈硬化が進行し、心臓病や脳卒中の危険が高まることがわかっています。そのため、高血圧や高血糖、脂質異常などを個別にとらえて治療するのではなく、生活習慣を改善することにより、これらを一度に予防しようという観点からメタボシックシンドロームの概念が提唱されました。

糖尿病及び高血圧とメタボリック症候群の有無別に見た心血管病の相対危険度
(二宮利治、他:医学の歩み 2009より引用)
糖尿病及び高血圧とメタボリック症候群の有無別に見た心血管病の相対危険度

メタボリックシンドロームの有無による心血管事故の累積発生率
(島本和明:日本臨床 2004より引用)
メタボリックシンドロームの有無による心血管事故の累積発生率

 メタボリックシンドロームは診断基準に則って診断される病態であり、単に肥満があるだけで内臓脂肪蓄積がない場合はメタボリックシンドロームには該当しません。本邦の診断基準は内臓脂肪を基盤とした考え方に基づいており、一定以上の腹囲(臍の高さで男性85cm以上、女性90cm以上)があることが内臓肥満の指標とされており、診断をする上での必須項目になっています。これに加えて、血圧、空腹時血糖値、脂質値のうち2項目以上が基準にあてはまるとメタボリックシンドロームと診断されます。なお、内臓肥満と高血圧、糖尿病、脂質異常症の重複は、その項目が多くなるほど、動脈硬化を進行させる危険が高まります。

メタボリックシンドロームの診断基準メタボリックシンドロームの診断基準

皮下脂肪と内臓脂肪の違い皮下脂肪と内臓脂肪の違い

リスクファクター保有数と心血管イベントリスク
(Nakamura T, et al. Jpn Circ J 2001より引用)
リスクファクター保有数と心血管イベントリスク

 内臓脂肪は、消化管で吸収された栄養素を肝臓に運ぶ血管である門脈の周囲にある脂肪(腸間膜脂肪、大網脂肪、小腸脂肪)の総称であり、内臓脂肪の過剰蓄積がない人では、全身の脂肪重量に占める割合は成人男性で10%~20%、成人女性では数%といわれています。内臓に蓄積した脂肪細胞はレプチン(食欲を抑える働き)やアディポネクチン(傷ついた血管壁の修復作用、インスリンの働きを高める作用、血圧を低下させる作用)などの善玉のアディポサイトカインとTNF-α(インスリンの働きを妨げる働き)やPAI-1(血栓の溶解を妨げる作用)などの悪玉のアディポサイトカインを分泌しますが、内臓脂肪の過剰蓄積が無い人の脂肪細胞では善玉のアディポサイトカインを分泌しやすいのに対して、内臓脂肪の過剰蓄積がある人では脂肪細胞が肥大・増殖し、アディポネクチンなどの善玉のアディポサイトカインの分泌は低下して、TNF-αやPAI-1などの悪玉のアディポサイトカインの分泌が多くなります。これらの悪玉のアディポサイトカインはインスリン抵抗性を引き起こして高血糖を生じやすくしたり血栓をつくりやすくしたりします。

メタボリックシンドロームの病態メタボリックシンドロームの病態

 実際に、メタボリックシンドロームの人では正常の人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが約3倍、心血管疾患の発症や心血管疾患による死亡のリスクも約3倍になることが報告されています。また、メタボリックシンドロームでは、非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群といった病気も発症しやすくなります。

メタボリックシンドロームの項目数と5年間の慢性腎臓病発症率
(Ninomiya T, et al. Am J Kidney Dis 2008 より引用)
メタボリックシンドロームの項目数と5年間の慢性腎臓病発症率

 内臓脂肪が過剰蓄積した肥満者の生活習慣は、①1回の食事時間が30分以上、②食事は満足するまで食べる、③よく間食する、④アイスクリームを好む、⑤交通手段に自動車を使う、⑥喫煙歴がある、という特徴があることが研究により明らかにされています。メタボリックシンドロームは自覚症状もないことが多いですが、放置をしておいて良い状態ではなく、適切な運動や食事療法による体重管理と血圧、脂質、糖の管理を行うことが必要であり、また喫煙は動脈硬化の発症を助長するため喫煙者では禁煙が必要になります。日本人は欧米人と比べて軽度の肥満でも内臓脂肪が蓄積しやすく、またインスリンの分泌量も少ないために糖尿病を発症しやすいので、特に体重管理の必要性が高いと考えられます。体重管理に関しては、5%~10%の減量でも高血圧や脂質異常、高血糖などの改善が得られるためダイエットを行うことが有用であり、特に診断基準の基準値(内臓脂肪100cm2)以下まで腹囲を減少させると更に有用です。

ウェスト周囲径の測り方ウェスト周囲径の測り方

 肥満は、摂取カロリーが消費カロリーを上回るために起こるため、食事療法においては、摂取カロリーを消費カロリーより少なくし、糖質の摂取過剰も是正することが必要です。また、運動にはエネルギーの摂取量と消費量のバランスを改善する働きがあるため運動療法の併用も必要です。ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は脂肪を燃焼させて体重を減らすのに最適であり、レジスタンストレーニングは筋力の増強と基礎代謝量の向上によりインスリン感受性を増強させる効果があります。内臓脂肪は、運動などでエネルギーとして消費されやすく、内臓脂肪と皮下脂肪は4:3の割合で減少するとされています。メタボリックシンドロームでは、生活習慣改善によって内臓脂肪を減少させることにより、アディポサイトカインの分泌動態を改善し、糖尿病などの発症予防につながることが明らかにされています。

運動によるインスリン感受性の改善
(Yongren JF, et al. Am J Physiol Endocrinol Metab 2001より引用)
運動によるインスリン感受性の改善

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