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拡張型心筋症

拡張型心筋症

拡張型心筋症とは

 拡張型心筋症とは、心臓(特に左心室、時として両心室)の筋肉の収縮する能力が進行性に低下することにより左心室が通常よりも大きくなってしまい、血液を適切に全身に送ることができなくなって心不全や不整脈を生じる病気です。心臓の病気の中には、拡張型心筋症と同じような病態を呈する特定心筋症がありますが、拡張型心筋症は特定心筋症が除外されて明らかな原因が同定できないものを指します。特定心筋症には、虚血性心筋症、弁膜症性心筋症、高血圧性心筋症、アルコール性心筋症、薬剤性心筋症、甲状腺疾患や副腎の異常に伴う心筋症、代謝性心筋症、膠原病やサルコイドーシスなどの全身性心筋症、産褥性心筋症などがあります。患者の分布としては人口10万人あたり10人程度の頻度で、60歳前後が最も多いという報告もありますが、子供から高齢者まで幅広い年齢層に発症します。また男女比では、2.6:1と男性に多い傾向が見られます。家族性拡張型心筋症は20%~35%に存在し、常染色体優性遺伝が多数を占めていますが、常染色体劣性遺伝やX染色体連鎖性遺伝のこともあります。厚生労働省の調査結果では5年生存率は76%であり、死因の多くは心不全または不整脈ですが、近年の治療技術の進歩に伴い現在は予後が改善傾向にあると考えられています。拡張型心筋症の独立した予後規定因子としては、下記の5つの因子が報告されています。

拡張型心筋症の独立した予後規定因子とその危険率
(Miura K, et al. Circ J 2008より引用)
拡張型心筋症の独立した予後規定因子とその危険率

拡張型心筋症の原因

 拡張型心筋症の原因は、わかっていない部分が多々あります。現時点では、心臓の収縮に関わる蛋白質をコードする遺伝子の異常や興奮収縮連関に関与するホスフォランバンの遺伝子異常、コクサッキーウィルス、アデノウィルス、C型肝炎ウィルスなどのウィルス感染、自身の心臓を攻撃する抗心筋自己抗体ができてしまう自己免疫異常などが関与していると考えられています。拡張型心筋症における遺伝子異常は、原因遺伝子であると同時に、ウィルス感染や高血圧などに対する反応の修飾遺伝子となると考えられています。小児に発症する拡張型心筋症は、遺伝子の異常が原因となっているケースが多いと考えられており、一般的に予後は不良といわれています。このような背景もあるため、特に小児の拡張型心筋症の場合は、専門家の指導の下で早期に対応することが望ましいとされています。

拡張型心筋症の症状

 ごく初期の場合には自覚症状がないこともありますが、病状が進行すると、倦怠感や動悸、少しの歩行や階段の上り下りでの疲労や息切れ、むくみ、手足の冷え、食欲低下などを自覚します。自覚症状の中で最もよく認められる呼吸困難は、初期には運動時に現れますが症状が進むにしたがって安静時にも出現し、夜間の呼吸困難や咳なども起こります。他には、全身の臓器障害によって、黄疸や尿量の減少という症状が出ることもあります。心機能の低下が進むと、重度の浮腫や不整脈が現れてきます。不整脈で重要なものとしては、失神や急死の原因となる心室頻拍や房室ブロックなどを認めます。更には、心臓の中に血栓が形成されてしまい、それに関連した脳梗塞などの塞栓症を起こすこともあります。症例によってその進行は一定ではなく、比較的安定した状態で経過する場合もありますが、多くは進行性で予後不良です。

(日本メドトロニック株式会社ホームページより引用)(日本メドトロニック株式会社ホームページより引用)

拡張型心筋症の検査

 血液検査、画像検査、カテーテル検査など様々な検査が行われます。

 血液検査では、BNPと呼ばれる項目を測定して心不全の状態を評価します。また、臓器障害を評価するために腎機能や肝機能のチェックも重要です。更に、特定心筋症を除外するために代謝異常や内分泌異常などの評価も検討されます。

 心電図検査では様々な異常所見が認められ、不整脈の評価も行われます。心電図は短期間の記録に留まらず、ホルター心電図や、イベント心電図、植込み型心電計などを使用して長期間(1日から数年)心臓の脈を観察することもあります。また、運動負荷心電図検査を行って日常生活における重症度を評価することもあります。

 胸部レントゲン写真では心臓の拡大の有無や肺のうっ血具合、胸水の評価などを行うことができます。心エコー検査では、心室腔の拡大の程度や心収縮機能の低下を評価することができるほか、弁逆流の有無や程度、心臓内の血栓形成の有無なども評価されます。CT検査では、冠動脈狭窄病変の有無の評価や心機能及び心形態の定量的解析を行うことが出来、MRI検査では、遅延造影を行うことにより心筋の障害部位の同定や予後の予測が行えます。

 カテーテル検査では、心臓の機能や血行動態(心臓が送り出す血液の量とその流れ方)を細かく評価することができ、冠動脈の評価も同時に行うことができます。また、心内膜心筋生検を行い、心臓の形態評価を通して予後の予想に役立てることもできます。

 その他には、心筋シンチグラフィーや心臓PET検査なども必要に応じて行われます。遺伝性疾患として発症していることもあるため遺伝子検査を行うこともあります。

拡張型心筋症の治療

 治療方法としては、投薬治療や体内に固定するデバイス、心臓移植などがありますが、同じ拡張型心筋症でも原因や病気の進行度は異なるため、症状や病態に応じて治療方法が選択されます。いずれの場合においても、運動制限、水分制限、塩分制限が必要です。また、症状がない時でも定期的な観察は欠かせません。

 投薬治療としては、β遮断薬の有効性が明らかとなり、ほとんどの症例でβ遮断薬の投与が行われています。ACE阻害薬やアンジオテンシンII受容体拮抗薬、アルドステロン拮抗薬なども延命効果や運動耐容能の改善が認められるため、β遮断薬と併用して投与が行われています。その他、浮腫や不整脈などの症状に対しては利尿剤や抗不整脈薬が使用され、心収縮力の低下に対しては強心薬が使用されることもあります。投薬治療により一部の症例では完全社会復帰が可能となるほどの回復が見られますが、この病気は重い不整脈を合併することも多く、抗不整脈薬、ペースメーカー植込み、植込み型除細動器などが必要になることもあります。進行性かつ重度の心不全に対する非薬物治療としては、心臓再同期療法(心臓再同期機能付き植込み型除細動器を含む)の使用や、中等度から高度の弁逆流に対する修復手術、左室形成手術(バチスタ手術)などが行われます。更には、心臓リハビリテーションによりQOLの改善のみならず寿命を延長することが報告されています。これらの治療で改善しない場合に、心臓移植が検討されることになります。本邦の心臓移植適応例の80%以上はこの病気です。心臓移植の際には、移植までの生命維持のため、人工心臓が使用される事もあります。心臓移植では生存率は1年で80%、10年で70%と報告されています。また、心臓移植が現実的に無理な場合には、植込み型人工心臓手術が行われます。

完全埋め込み型補助人工心臓
(日本心臓血管外科学会 ホームページより引用)
完全埋め込み型補助人工心臓

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